エンゼルバンク 6―ドラゴン桜外伝 (モーニングKC)
三田 紀房
講談社 刊
発売日 2009-04-23
オススメ度:★★★★
勇気が出る本 2009-07-21
帯に「ビジネス書コーナーに置いてくれ」って書いてあるけど、内容はまさにそのとおり。
前巻までの展開と変わって、日本の会社の仕組み、特に人事異動がなぜあるのかがテーマだ。転職というより「仕事とは?」といった話になっている。
「仕事に中身や報酬を求めているんじゃないんだ。感情を求めているんだ」
「人から与えてもらったものは仕事とは言わない。作業というんだ」
「要するにルールを疑わないやつらはルールを作ったやつらに利用されてるんだよ」
「知らない時が一番のチャンス!無知を恐れずに挑戦した奴が成功するんだ」
なんか、励まされる。
転職とまではいかないが、このままの仕事じゃいけないと、今の仕事に閉塞感を覚えている。でも、まだ自分で、できることはいっぱいありそうだ。勇気が出た。
意図的に誘導している? 2009-05-31
今回の内容は「会社の仕組みについて考察する」というもの。
その中でも人事制度にスポットあてていました。
ネタばれを避けるため具体的には書きませんがその内容には非常に納得いくものです。
しかし、そこからさらに海老原が考察を進め、結局「アメリカなら悲惨だけど日本でよかったね」という結論に進めています。
しかし、現実には今の硬直した日本の人事制度が言い訳もなく、あくまで「企業内特殊技能」を伸ばすだけで会社に雁字搦めにしていることに言及してないあたりが気になります。
少し内容に触れてしまいますが「日本の会社は能力主義だ」と斬新な切り口で読者を驚かせたいのかもしれませんが、実際には「給料は能力よりも年齢に強くリンクする」のが現実であり、少し奇をてらいすぎた感があります。
今までが面白かっただけに非常に残念ですが、やはりためになる部分もあるため星3つとしました。
今回も勉強になる。 2009-05-07
今回のテーマは「人事異動」。
一番勉強になるのは、外資系と日本の人事制度の違いである。
外資系(外国)では、異動して同じ給料と言うことはあり得ないという。
つまり、職務が違えば、給料も違うという「職務主義」であるという。一方、日本企業は、職務が変わっても、給料が同じ。
すなわち、その仕事をこなす能力と言うより、その人間のポテンシャルに給料を支払っているという意味で「能力主義」であるという。
「転職は1億円損をする (角川oneテーマ21)」のレビューでも書いたが、転職しないでも異動や出向で様々な職務経験を積めるのが日本企業(ある程度の規模は必要であるが)のよいところと思っているので、異動をポジティブに捉えている本巻には共感できる。
また、「知らない」ことを強みと考える点にも共感できる。
長い人生で惰性に陥らず、モチベーションを保つためには、(相当の苦労は伴っても)新しい仕事にチャレンジすることが必要であろう。このような経験ができる日本企業の価値はもう少し認められてもよいのではないかと思う。
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