エンゼルバンク ドラゴン桜外伝(13) (モーニングKC)
三田 紀房
講談社 刊
発売日 2010-05-21
オススメ度:★★★★
2つのテーマを扱っている 2010-10-02
2つのテーマを扱っている、土地神話の崩壊と医療の崩壊である。
土地神話も崩壊しているのに、今でも、家賃を支払い続けるぐらいなら、資産が残る持ち家・マンションを買う方がいいという判断は本当に妥当かという問題提起であるが、現時点では、読むまでもなく結論は自明であろう。 家も車も買った瞬間に値段が下がり、付随する出費や税金に押しつぶされるのが関の山であろう。
しかし、現実には、家を買ってローンを地道に返していくという生活が、むしろ堅実なものと見られているが、実は、少ない元本で信用取引をしているようなリスクの高いものだとの見立てはおもしろい。
むしろ、「医療崩壊」が個人では対応できないので重要な問題であると感じる。本巻ではその問題が現実生活に与える影響を正面から取り上げている。
本巻で本田さんに語らせているのは、医療過疎が都会でも起こるということだ。人口に対して医師数が少ない千葉と埼玉が厳しいそうだ。
最近の厚労省の調査でも、「勤務医数の地域差2倍」という結果が出たようだ。多いのが高知、徳島、少ないのが埼玉、三重だそうだ。
なお、巻末に、脈絡は不明だが、「現役官僚の言い分」として、本音ベースの話が出ている。おもしろいと感じたのは、
・官僚批判の一部が正しいことは認めるが、事実誤認や、陰謀史観に偏ったものも多い
・官僚は批判されるが、反論の機会は与えられていない
・利権の動く政治的な仕事は、官僚はプロとして無力感を感じながらやっている
・天下りの話は、自分の人生設計に関わる話であるし、自分でコントロールしている話でないので、突き上げて改革というわけにいかない
・ジャーナリズムが弱い。時事ニュースに明け暮れて、調査分析が浅い(確かに第一報だけのニュースがどれだけ多いか)
・元米財務長官のウィリアム・サイモンは「悪い政治家をワシントンへ送り出すのは、投票しない善良な市民たちだ」(確かに本質はそこにあるのかも)
匿名官僚のコラム 2010-06-26
巻末に、匿名官僚による(おそらく30歳前後の方の)投稿コラムがあり、 それがとても興味深い内容となっています。
官僚の意見をダイレクトに聞く機会があまりないので、 楽しく読ませて頂きました。
日本の大きな問題の一つに、ジャーナリズムの未成熟を あげておられましたが、まったく同感です。
こういった機会を官僚に与えるのもとても大事な事です。 講談社、及び作者の三田さんに賞賛の声を送りたいです。
漫画自体の内容もとても面白いです。前巻より見出がありました。 特に、リスクの考え方は共感するものがあります。
自己責任社会である現代において、本当のリスク回避は、 自己のポリシーを信じる事であると感じています。
実際、私の友人においても、リスクの高そうな芸術の分野に 飛び込んだ人たちがいますが、強い信念の元に次々に結果を出しています。
世の中のもやもや神話なんて「くそくらえ」ですね。
ちゃんちゃんこ 2010-06-24
ストーリーはいつも通りの感じです。
普段オシャレな服着てる井野さんが部屋の中でちゃんちゃんこ着てます。
今までもですが井野さんの部屋は結構汚く、良く言えば細かい事は気にしない、悪く言えばガサツな部分が部屋の状況から読み取れておもしろいです。
さらに詳しい情報はコチラ≫[2回]
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