雇用の常識「本当に見えるウソ」
海老原 嗣生
プレジデント社 刊
発売日 2009-05-18
オススメ度:★★★★
価値ある、後半部分 2009-11-13
前半は雇用に関する「常識」を具体的な データで反証、覆してく。
言ってることは正しいのが、正直ちょっと退屈。
本著のメインは、あとがきにあると思った。
いま雇用環境に対する主張は、 ざっくり以下の三氏に集約されると思う、 ワープア代表 湯浅誠氏、 若者代表 城繁幸氏、 中高年正社員代表 森永卓郎氏 それぞれが仮想敵をつくり攻撃しあっているのだが 全体を見通している感じがしない。
そんな状況の中で、 経済格差、世代、正規非正規といった壁を 壊すのではなく、融和させていくべきという 著者の主張は、建設的だと思う。
ある程度の人たちが、そこそこに納得できる
労働環境・ルールづくり。
著者のこれからの働きかけに期待したいです。
海老原さんの見方はいつも偏っている 2009-10-27
海老原さんはひらめきがよく、なかなかやり手と思う。
しかし、情緒不安定で、判断は直観的過ぎる。
この本の内容も煽情的だが、立証は無理があるし、仮説には疑問が多い。
世間が言うどうこうというのはそれなりに意味があり、決してそのままの事実を指摘しているわけではない。
そこが認識されていない。
良書。しかし、「ぼやき」ノイズもある。 2009-08-13
論証の出発点は的確な現状認識で、それには統計が必須であるにもかかわらず、雰囲気や感覚で世論が形成されてしまう現状がある。
このような現状は、人々が「信じたい」ことを目の前に顕在化させるという立派な機能ではあるが、正確な論証ではなくなってしまう。本書は、人々が「信じたい」ことを、さまざまな統計により「ウソ」であることを明らかにしていくもの。
確かに、本書を一読すれば、メディアなどで常識として語られるさまざまな現象が、実は統計に基づかないウソであることがわかり、収穫はある。しかし、本書はそのような常識がウソであることの論証に大きく力が割かれており、ときおり書かれている建設的論証が薄弱な感がある。
たとえば、110ページの「年配者が高級なのは若年時に薄給だったから」では、搾取されている(とされる)若者の薄給は「今度は『もらいすぎ』の立場になっている」から「熟年が若者を搾取するという世代対立軸に関しては、根拠が曖昧なものが多い」というが、この論証は人口減少等により経済の縮小など、考慮されるべき要素が考慮されておらず、批判のみに基づいた論証となっている(若者が熟年になる頃、組織は現存しているだろうか?)。
このため、「ウソ」を暴く箇所は評価できるが、根拠の薄弱な「ぼやき」も混同しているので−★★。
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