マネーの拳 5 (ビッグコミックス)三田 紀房
小学館 刊
発売日 2007-01-30
オススメ度:★★★★
井川との戦いにひとまず終止符 2008-04-28
感情的になって行動しているように見える井川も実はセンスは鋭く、花岡の生命線の生地を押さえにかかる。
まさに相手の弱点である兵站を断つという合理的な戦法である。
しかし、その生地を使って製品化する能力がないのに製品化してしまうという過ちを犯してしまう。
この戦いに勝った花岡はトントン拍子にビジネスを拡大する。
しかし、再会した塚原曰く、ビジネスで世の中のためになることとは、単に儲けるということを超えた「お金を循環させる」ことである。
「貯めこんだお金は腐敗する」との言葉で一皮むける。
資金の心配をすることばかりがビジネスかとやや読むのに嫌気がさしていたところだが、新展開に繋がりそうで期待。
なお、商売の基本は作って売るの製造小売りだというのは真理だと思う。
それは、中間でのマージンを独り占めできるからだ。
心を売って金にかえる。 2007-05-26
ケンは自社の技術力を最大限活かせるTシャツを見つける。医療用の素材で、生地はいいけどTシャツにするのは難しい。ケンは、思考錯誤の末、遂に商品化に成功する。
そして今回は、この商品を、ターゲットを絞って売るべき人に売ることにする。ビジネスで流れを作るなら、ターゲットにすべきは、やはり流行に左右され易い若い女性しかない。しかも周りの人のファッションに敏感な彼女達なら、お客さんが街で着てくれればそれだけで宣伝効果は大きい。良いものは話題になる。
ケンの狙いどおり、新商品は当たった。しかも、井川が真似しようとしても、ノウハウがないからうまくいかない。価格競争で中国に勝つのは不可能。日本が中国に勝つためには技術力を磨き、ノウハウや特許を蓄積することが重要ということですね。
我慢した甲斐があって、ケンの会社は、Tシャツを買うならT−BOXというくらいまで成長した。ハンバーガーならマック、コーヒーならスタバといったように、TシャツならT−BOX。ここまでくれば、他店と同じレベルのものを出してさえいれば、T−BOXが勝つ。引き分けでも勝ちだ。
3年後、株式会社ハナオカは、海外にも進出する大会社に。ケンは、塚原の勧めもあり、上場を考えるようになる。この巻の最後では、株の初歩知識が学べます。次巻からは本格的に株の話になるでしょう。とても楽しみ。しかし「会社とは人をいっぱい雇うこと」とは大胆だ。まぁ、その通りなんでしょうね。ただ、従業員が多い会社が必ずしも良い会社とは限らないけど。
あと、この巻では「困っているときに恩を売る。心を売って金にかえる」というところが非常に良かった。裏切りを受けたとき、感情に任せて仕返しするよりも許して恩を売る方がメリットになる。こうやって本当の人脈が出来上がっていく。目先の金をとる人は、二流の経営者だ。金なんかよりもこっちの貸しの方がよっぽど大きい。一流の経営者は、人の心を奪って鉄壁の牙城を築く。
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