エンゼルバンク ドラゴン桜外伝(10) (モーニングKC)
三田 紀房
講談社 刊
発売日 2010-01-22
農業がブームだがどうなんだろう 2010-02-23
最近、「農業」が一種のブームであると感じる。本巻も農業がテーマである。
昔、産業革命のことを書いた本に、農業と工業は生産性が20倍違うので、農業から人がはき出されて、都市に向かったというような内容が書いてあった。
数百年の時を経て、農業と工業(あるいは商業)との生産性の格差が縮まったのであろうか?
いみじくも本巻の主人公の中谷社長の目指すのは、「農業に産業革命を起こすこと」である。
生産性の観点から見れば、確かに都市型の園芸農業や高付加価値の食品については未来があるように思うが、本巻が志向する在来型の農業についてはどうだろうと思っている。
しかし、農業を巡る課題についての指摘はそうだなぁと思う話が多い。
例えば、「農業はビジネスチャンス」であるという。それは、玄人と称する人が、昔ながらの方法で生産をしているケースが多いので、素人が新しい視点で技術革新する余地が大きいことを意味している。
また、農業には「責任」という言葉が欠落しているという。つまり、何事も「天気のせい」、「国の農業政策のせい」であり、失敗を成功に繋げる好循環も、農業の担い手が家族という単位であるがため、あるいは、工夫をしなくても何とかなる制度のためにうまくいっていないという。
この辺のうさんくささは、「偽装農家」(神門善久著)でも何となく感じられたところである。
あと、「日本人の若い奴らはやっぱり・・ダメなんです」という言葉も厳しい。確かに今の時代だからこそ、「辛抱して頑張る」ことも大事という教育が必要なのかもしれない。
最後に藤沢数希氏のインタビュー記事がある。同氏のブログ(金融日記)はおもしろくて読んでいるが、ここでの話もおもしろい。
今回は・・・。 2010-01-24
この巻では、ハッとさせられることが正直少ない。
副題に「暴く、農業の嘘を!」とあるが、
ただ「農業は素人にはできないと思いこんでいないか」というものである。
全巻読んでいるだけに、新たな視点が得られると思っていたが、残念である。
前回の9が出てから、1ヶ月での発刊で、厳しいことを言わせてもらえば、急ごしらえの突貫号である。
農業ベンチャーってありかも。 2010-01-22
長谷川京子を主人公としたドラマももうすぐ始まるが、そのドラマ化のせいか、単行本化のペースが速くなった気がする。
内容は、転職を希望する経理マンに農業ベンチャー企業への転職を勧めるというところから始まり、その農業ベンチャーの試みについて、かなり紙幅を割いて記述している。
この農業ベンチャーがかなり面白い。なるほど、今の日本の農業の現状は、ある人から見ればチャンスなのかもしれないなぁ。
視点を変えると見えてくるものが違う。勉強になる。
外国人労働者の移民政策については、必ずしも著者の言うとおりではないところもあるとは思うし、楽観的なような気もするが、しかし、そのビジョンには魅かれる。
さらに詳しい情報はコチラ≫[0回]
PR
COMMENT